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2011年9月3日土曜日

再発どころか。




最近急に めっきり動かなくなり ほぼ寝たっきりだったパパ。

先日から、急に、おしっこが出にくくなって、血が出るようになったと言っていた。

おしっこ出したくても出ないって辛いよね、、
食事もできなくなるし、、

丸一日出なかった日の、翌日の早朝。

私は前日寝るのがべらぼうに遅く、眠りについてから2時間後の朝5時半、起こされ、10分後には救急車に乗っていました。

パパが救急車を呼んだのです。

もっと早くから起きてトイレを頑張っていたパパが、おしっこを出にくくしていたであろう血の塊がボタっと出たのを見て、自分でただならぬ事態を察知し自分でがんセンターと119に電話して手配していたのです!

すごい、いつも思うけど、普段は弱弱弱しくてゆっっくりなのにいざという時の行動はしっかりしているし、早い。。

救急車が着いたらすぐに身一つで乗り込んで、私と母待ち状態。

私とパパはボーゼンとしてました。
ママは涙ぐみながら不安そうに、ずっとパパを見つめていました。
表情のないパパもときおり、ママを見て また天井を仰ぎます。

こんな時、ほんとなんて言って良いのかわかりません。


それにしてもすごい揺れる。。パパが横たわっている担架なんて、もっと揺れてる。
そしてピーポーがなんせ真上なので、実に騒々しい。
乗り物酔いしやすい私とパパは、「酔いそう、、」と青ざめてました。

普段タクシーで4、50分くらいかかるところを30分で到着。

救急センターに到着してしばらく後、勢いあまって自尿がでました。
450gもの、どす黒いほどの、まっっ赤な血、、いや、尿、、。

とりあえず出たので、ものすごく安心してましたが
血栓がある限りまた同じことの繰り返しです。

とりあえず尿管に太めの管を入れて詰まらないような処置をされました。

が、この管が、本当に痛いのだそうです。
想像しただけでも痛いけど、本人の痛がりようは、半端じゃありません。。

男性は女性より、特に有る程度の年齢を超えた方は、やはり相当、、痛がるそうです。。

この管を入れたことのある女性の先輩は、すごい痛い、すぐにでもとってほしい、そんな状態が続くからすごくつらかった、と。。
男性の痛がり、特に痛いの嫌いなパパにとっての痛みは、想像もできません。。

泌尿器科の病棟へ移りました。16Fで、以前いた脳外科の17Fと同じつくりです。
またここに戻ってきたな、、と複雑な気持ちでした。懐かしくもあり、戻ってきちゃいけないのに、、と思う気持ちもあり。

医師も看護師の方たちも、あれこれ手はつくすけれども痛みは取ってあげられず、ぐったりしたその状態でやれレントゲンだやれMRIだ、それでもわかんないからやれCTだと、午前中はひっきりなしに誰かが来てはパパを起こしたり寝かしたり、どっか連れてったと思ったら急に車いすで戻ってきたり。
いつのまにかゆかた(病院用のパジャマ)に着替えていたり。

お昼を回る頃にはパパはミイラのような放心、抜け殻状態でもはや喋る気力も目をあける気力もない状態でした。

私はずっとパパのベッドに突っ伏したり、しばらくいない間はベッドに入り込んで寝ていたり、とにかく朦朧としていてひたすらフラフラしてました。
うろうろしてタイミングを外してばかりのママに代わって看護婦さんや医者の話を聞き、サインをし、寝ころがって、の繰り返し。

CT後、膀胱に血の塊があるからとにかくその止血をする手術をしたほうが良いということになり、説明を受け、あれよという間に手術室へ連れていかれました。

全身麻酔をして、尿道から内視鏡を入れて、膀胱内部を見つつ血と塊を出し、出血している部分を焼いてふさぐ。

これが約1時間。

終わるまで、休憩所や待合室で少しだけ仮眠。
4時半ごろ、本当に約1時間でPHSが鳴り、パパのもとへ。
手術(止血)はとりあえず成功したそうで、真っ赤なおしっこや、詰まることももうなさそうです。ほんとによかった!


もうろうとしているパパに、頑張ったね!と声をかけ、麻酔がまだ効いているし、かなり疲れてるはずだから、今日は私たちも安心して帰ろうということになりました。
ご飯食べて帰ったらもう6時半。丸々半日かかったんだ!
すごい疲れて、でも半ば興奮状態でもいたかもしれません。

あわただしい一日だったけど、とりあえずパパの苦痛が一つ解決して良かったなと思って深い眠りにつきました。



翌日。



午後、ママが電話してきました。

「あのね、癌が見つかってね、尿管癌だって。明日5時に家族を呼んでくださいって。来れる?」

あぁ、、、
鼓動がちょっと早くなり、思わずすぐ尿管がんを調べた。
余命、平均1~3年。

そうか、、、、、。



会社帰りに病院寄って、吐き気とかめまいがすると言ってまだ何も食べていませんでした。
パパの弟さんも来てくれて、でもほとんど動きもしないし喋りませんでした。

私たちが帰るというと、「そんな寂しいこと言うなよ、、」「昨日は全然眠れなくて、寂しかったぁ、、、」

なんて言うのでママは思わず戻ってきて「じゃもうちょっと居ようかね」と言って手を握り、いっこうに帰れません^^;

パパはまだ、新たな癌が見つかったとは聞いていないけど、先が短いことを 感じとっているのでしょう。。



翌日、午後半休をとって病院へ。
主治医のO先生は忙しく、結局話を聞いたのは6時を回ってからでした。

パパを車いすに乗せて、脳外科担当のO先生から聞いたのは予想もしていなかった言葉。
まとめて言うと、、


「一難去ってまた一難で本当に大変なんですが、尿管と大動脈に病変が見つかりました。尿管癌です。大動脈へ転移したようです。
腎臓の方にも小さい癌があります。これは進行が遅いのでしばらくはいじらないでおきましょう。
さらに、耳の後ろのあたり、小脳にも新たな腫瘍が見つかりました。」

?!


なんということ、パパの身体は、これほどまでに蝕まれていたのです。
運動しないと筋肉が衰えちゃうよ、としつこく言っても、必要以外はほぼ寝たっきりだった最近のパパ。
布団から起き上がるのも戻ってきて横になるのもかなり時間がかかってたパパ。
それでも少し前まではデイケアセンターにも行って、がんセンターにも来ていたのに。

身体の中ではこんな恐ろしいことが起こっていたんだね、、

そう思うと、かわいそうでしょうがなくて、熱いものがこみあげてきます。


この小脳にできた癌が性質が悪いそうで、
余命3~6か月とのこと。。
先生はいつも短めに言うけれど、年末を迎えられるかどうか。。

泌尿器科の先生ともお話して、尿管がんは年単位だけれどもこの脳腫瘍は数か月単位でとても早く進行するため、今最優先すべきは脳の治療ということで、アバスチンはもう中止。
なんと、新しい腫瘍にはまた、側頭葉の腫瘍で最初に行った、放射線+化学治療(テモダール)という方法しかないそうなのです。

振り出しにもどった感否めず、、。

これも、延命にとどまる程度、ただし何も治療しなければ本当に進行は早いそう。。
尿管がんのほうは、とにかく出血をまたしないように処置をする必要があるということで、こちらも放射線治療になるそうです。
おそらく同時にできるはずとのこと。


私たちはただただ黙って聞いていました。
もう、私たちが決められることではないなと、思ったのです。

もう、延命だけというならば、痛みや苦しみからはせめて解放させてあげたい。でも何もしないわけには、、

治療を始めたら、また、放射線と抗がん剤の副作用に悩まされる日々が続いてしまう。頭がガビガビになり、毛も抜け、常に吐き気に悩まされ、便秘にも苦しむ。

ここまできたら、本人の意思次第だ、、

そんなことを思いながらパパの方をみると、つながった点滴の管を指にぐるぐる巻きつけながら落ち着きがなく、目も焦点が定まらず、大きな貧乏ゆすりをはじめ、何か言いたげでも言葉が出ない、とても動揺を隠せないでいるようでした。
そんな姿を見るのは 辛かったです。。

でもしばらくして、パパは、大きな声をだして、「うん、やる、やります」と言いました。

副作用は嫌だけど、治療をしなくてもどうせ苦しいしすぐにお陀仏になってしまう、自分はがんばって治療を受けて、少しでも長生きをして見せる、と。


私たちは うん、うん、と大きくうなずき、皆でパパの意思を共有し、お願いします、と先生方に託しました。



あの超高額な未承認薬を使えなくなり、今度は保険適用の薬、治療だけになったので高額医療費制度で今までの1/3くらいの費用にさがります。(と言っても、もちろん高いですよ、、)

飛ぶようにお金が消えていき、お金が尽きるのが先か、再発が先か。常に不安はありました。
でももうお金をかけてもどうにもならない。
何とも言いようのない、気持ちです。

でも同時に、妙に落ち着いた自分も、います。
なんだかいろんなことがあって、感覚がマヒしてるのかな。。


病室に戻り(なんと個室!目の前にはスカイツリー。)

「子供たちに前向きな姿勢を見せることが大事だと思ったんだよ」

と息巻いて言っていましたが、弟と私はすぐちゃちゃを入れるので、「今までずっと後ろ向きだったのに」と言ったらちょっとガクッとしちゃいました。

いつものやり取りです。

もうとにかく暗くならずにパパを支えて行こう。
ママも、すぐ泣いちゃうから なるべく気分を上げてあげなきゃ。


帰り、精をつけて元気出そうと、ママを久々のお肉を食べに連れていきました。言葉も少なく、半分放心状態でいたんだけど、ほんの少しの安い肉がやたら美味しくて、、生きてる実感が、ありました。





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