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2010年1月18日月曜日

術後3〜4日目

術後3日目

今日は一般病棟へ移動の日です。


昨夜はちゃんと寝れたかな、もっと元気になってるだろうな、
と思いながら、11時に17階へ来てくださいと言われた通り行ってみると、

手術前と同じ部屋にパパが居ました。

ベッドを半分起こし、座ったまま何もない壁をぼーっと見ていて、
周りには看護婦さんも誰も居ず、一瞬見てすごく切ない気持ちになってしまいました、、
すぐにかけより、声をかけると、ゆっくり、ぼそっと、今移動してきた、と。
なんだか予想に反して全く元気がありません。
視線もまっすぐ前を向いたままです。

ベッドを倒し、まくらを微調整して、横になったものの
頭が痛い、寒い、熱い、の繰り返しです。

この日は文字通りつきっきりで看病です。
ママは何かしたくてたまらないのですが、パパが頭に触れそうで怖いとか、
それはしないでいいとか、痛いからやめてとか、、何をやっても
却下されるので(まぁ、これはいつものことなんだけど、、笑)私と弟が
横であれこれしてあげて、ママは一番遠いところでポツンと座って、
心配そうにこちらを見ていました。

この日は始終、パパに元気がなく、一人じゃできない、と
ぼそっと、悔しそうに言う姿とか見るとたまらない気持になります。

私たちがタオルケットや毛布や枕の微調整を必死にやっていると、
ときおり、ありがとうね、と目をつぶったまま言ってくれました。
そりゃ当り前でしょ〜、どんどん甘えなね!と言うものの、
それ以外にかける言葉が見つからず、私たちがじとっと傍で
ひたすらパパのこと見てるだけなのが余計元気なくしてたらどうしよう、
とか、すごく心配になりました。。

友達に、がん細胞を死滅させるために、「笑うこと、笑うこと、笑うこと!」
と聞いていたのに、私たちはどうも余裕が持てず、ユーモアに欠けるようです、、
こんな時は、やっぱり友達とかが勇気づけて笑わせてくれたらな、と思います。

私が一人で看病している間、パパが何度か短く眠りました。
一度、寝ているパパの顔を見ていると、唇がきゅっとへの字になり、歯を食いしばるような形になって、閉じた目にうっすらと涙がにじんできました。

悔しそうな、悲しそうな顔でした。
思わず手を握ると、表情は元に戻り、またすやすやと寝ていました。

私はパパの気持ちを思うと、涙を抑えるのに必死でした。

こんな状態で帰りたくはなかったけど、消灯時間にゆっくり寝れそうだったので
8時ごろ帰りました。

今夜は弟夫婦がママと一緒に寝てくれます。
本当に有難いことです。






術後4日目


4日目の今日、私と弟で広島へ行きました。朝早くに出発したので全く寝ずに。。

寝てないから、その間パパはちゃんと寝れてるかな、一人でさみしくないかな、
と心配で心配でたまりません。本当は会いたくてたまらないけど、今日はやることがあります。


広島はパパの故郷です。パパのご先祖様が眠っているお墓があります。
うちは何かというとご先祖様頼み。
私自身はなかなか腰が重くて家族で行く時くらいしか行かないのですが、
今回は弟が行こうと言うので二つ返事で一緒に出かけました。
日帰りです。
行きの新幹線では4時間ひたすら爆睡、11時に着いて、
軽くお昼を食べながら、2人でご先祖様へお願いのお手紙を書きました。
弟のお嫁さんに電話で、今日は昨日よりだいぶよく、朝なんて看護婦さんと
部屋のあるフロアを一周したとか!
それを聞いて本当に嬉しくて、急に食欲が出た!と、弟は私の食べ残しのカスのような
パスタをがっついてました。
本当に単純で純粋で、ビビリで小心者だけど本当に心の優しい子に育ったなぁと
最近常に感動しっぱなしです。
本当によく気遣ってくれるお嫁さんももらって、本当にいい夫婦です。
姉としては心底幸せです。


気が付いたらそこで2時間も経過。
帰りの新幹線は午後4時半発です。
2人とも、気は焦るんだけども動きはのんびりなので、
あぁぁ と言いながらお花や道具を買いに急ぎました。
道を何度も間違えながらもなんとか道具をそろえ、
1時間後にやっとお墓に到着。
快晴の上、山の上なのでかなり見晴らしがよく、空気もすがすがしくて
気持ちがいいです。
まるで私たちの心配は取り越し苦労だよ、とでも言われているかのようです。
コートを脱いで、さらに1時間かけて、いろいろお互いの話や昔話をしたり、
ここに眠るパパのママ(うちらのおばあちゃん)が
どれだけ優しい人だったんだろうと想像してみたりしながら
必死に掃除しました。
今日やりたいことは全部できた、一緒に来てくれて本当にありがとうと、
弟から何度も言われ、こっちこそ誘ってくれたことに感謝、感謝と言いながら、
案の定ギリギリになって走って帰りの新幹線へ乗り込みました。

今日の報告で弟がママ、パパに向けて書いたメールです。 

「パパが昨日より元気になったと聞いて2人で大喜びしています。
お墓はこれでもかというほど雑草などの掃除をして、床や周囲の枠までピカピカに
磨いて豪華な花を添え線香とロウソクを灯し、2人で書いたパパの全快を
願うご先祖様への懇願の手紙を置いて、人生2度目の土下座をし、手を合わせ
長い長い時間お祈りしました。
きっとこの気持ちが届くと思います。」

パパは、ママから私たちが今日広島へ行っていると聞いてびっくりして、
大きな目に涙を浮かべながら、しばらくの間手を合わせて有難い、
と拝んでいたそうです。

それを聞いて私たちも泣けてきました。

神様、仏様、どうか大好きなパパをお助けください。
パパのために私たちも一生懸命頑張ります!

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